CONTAX TVS は、1993年に京セラから発売された、チタンカラーの外装が目を引く高級コンパクトフィルムカメラ。
手に取った瞬間に伝わるチタンの質感と、そのデザインから、カメラに詳しくなくても「いいものを使っている」と感じさせてくれます。 レンズは広角から標準域までをカバーする2倍ズーム。 スナップフォトにはちょうど良く、画角を合わせてシャッターを切るだけで撮影を楽しめます。
ズームレンズと聞くと便利に思う方もいれば、一方「写りが甘いのでは? F6.5は暗いのでは?」という印象を持たれる方も少なくはないかと思います。 ただ、実際に使ってみるとその心配はあまり感じません。 この手のカメラはカメラ任せで自動的に絞られ、全体的にキリッと鋭く写ってくれますから、素直にきれいな写真が残ります。 暗い場所でも内蔵フラッシュが使えるため、困る場面はほとんどありません。
今回使用したフィルムは Yes!star 200。 こってりとした発色のフィルムが、Carl Zeiss レンズの描写をうまく引き立ててくれます。 特にパノラマモードで撮影したときの雰囲気は格別。 上下をカットした横長のフレームになるだけのシンプルな機能ですが、画面が横に広がることでどこか映画のワンシーンのような空気感が生まれます。 データ受け取りが主流の今なら、気分に合わせて途中で切り替えて使えるのも楽しいところ。
CONTAX T2 の知名度が高いこともあり、TVS は少し影に隠れがちな存在かもしれません。 ただ、電動繰り出しのT2に比べ、TVSは手動繰り出し。 構造がシンプルな分、故障リスクへの不安が少なく、撮影時の安心感があります。
ズームという自由さ、チタン外装の所有感、そしてCarl Zeissの描写。 そのバランスの良さが、初心者の方からカメラ経験者まで魅了されること間違いなしのカメラ、それが CONTAX TVS です。
こんな方におすすめ
- 見た目のかっこいいカメラを持ち歩きたい方。
- 小さくてよく写る、扱いやすいカメラを探している方。
- CONTAX や Carl Zeiss のブランドが好きな方。
- ストリートスナップをよく撮る方。
- 単焦点よりもズームの自由さを重視したい方。